良いところばかりではない、ドイツフリーランスの現実

2018年2月21日

こんにちは、Cassini(@cassini0720)です。

 

Twitterをやっていると結構「これからドイツでフリーランスになります!」と書いてる人をよく見かけます。

 

と同時に『海外来なよ!』と人に勧めてる人もいますが、これに対して私は「日本で辛い思いをしている人に対して海外に逃げ場があると示すという意味では良い」と思う時もあれば、「海外の良い面ばかり強調しすぎてる」と感じることもあります。

 

やはり海外は日本と全然違うし良いことばかりではないので、現実的なことも知っておかなければいけないと思います。

 

今のところドイツのフリーランスビザは他の国より条件が比較的ゆるいというのもありますが、かといってあまり簡単に考えない方が良いと思います。以下では、ドイツでフリーランスビザを取得しようと考えている方に、意識しなければいけない現実的な面について挙げていきたいと思います。

 

ドイツのフリーランスは条件付き

 

「ドイツでフリーランスとして働く」とはいっても自分が好きなことを何でもやれるわけではなく、私の認識が正しければ「ビザで指定された職種でしか収入を得てはいけない」となっています。

 

例えば私は翻訳とライティングをおこなっているので、『Übersetzerin(翻訳家)”また”Artikelverfasserin(ライター)”』という縛りで働いてもよいということになっています。

 

フリーランスビザを申請する前に実績を作った職種に対しビザの許可が出た場合に限り、その職種限定で働いて良いという認識です。

 

ビザ申請当日についての記事↓

ドイツでフリーランスビザを取得しました!手続きに必要なものと申請の様子について

 

もしビザに書かれている以外の職種で収入を得たいと思ったら、また外国人局に行って申請をおこなわなければいけません。二度手間を省く意味でも、やりたいことがあれば実績を作って最初の申請で許可をもらったほうが無難です。

 

もちろん申請書類が通らなかった場合、フリーランスビザが取得できない可能性もあります。私が知っている日本人で申請が通らなかったであろう人を知っています。

 

法定健康保険は思っているより高い

 

フリーランス自体は申請書類に不備がなく、かつ稼げている証明ができるのであれば申請が通る可能性が高いと思っていますが、月々の支払いについても考えなければいけません。

 

ドイツの公的保険である法定健康保険料は高いです。

ドイツで法定健康保険を払おうと思ったら毎月250-380€(約32,500円〜49,400円、レートは130円で計算)の支出は覚悟しないといけません。

 

法定健康保険とプライベート保険の違いについてはこちらのサイトに詳しく書かれてあります。

 

ドイツの健康保険の選び方

 

また、こちらにも法定健康保険料について詳しく解説されています。

 

 フリーランサーの場合、平均月収が385ユーロを超えると法定健康保険料はなんと約350ユーロにも上るため、プライベート健康保険の方が毎月の保険料を抑えられることになりますが、その分、老後の出費は高くつきます(後述)。被雇用者がいったんプライベート健康保険を選択すると、月収が限度額未満にならない限り、法定健康保険に再加入することはできませんので、自身へのメリットとデメリットを確認した上で選択することが肝心です。

 

出典:ニュースダイジェスト

http://www.newsdigest.de/newsde/column/how-to-manage-your-money/5613-967.html

 

このように、フリーランスビザを取ったらまず法定健康保険に入るかプライベート保険に入るかの二択をしないといけません。一度プライベート保険を選択するとフリーランスとして税務署に届け出たあとに法定健康保険に入ることは難しいそうです。(その後ドイツで会社に雇用されたりなどすると入れたりできるようですが)

 

法定健康保険の月々の料金は高くつきますが、家族を持ったときに自分の扶養に入れる際、追加の保険料を払わなくて良かったり、年金生活になったときに保険料の出費がプライベート保険ほど高くないというメリットもあります。

 

私は家族を持つ予定はなく、またドイツに長年住むのかも未定だったので法定健康保険には加入していません。

 

この辺の事情について書いているブログはあまり見つけられなかったので、申請代行の方に色々訊きました。

 

このような保険の制度などほとんど説明せず「ドイツはいいよ!フリーランスおすすめだからあなたもおいで!」という安易なことは言えないんですよね…

 

また芸術家のための社会保険「KSK」もあります。KSKの申し込み条件についてはこちら。↓

 

対象となるのは、音楽家・画家・彫刻家・写真家などの芸術家および芸術教師、フリーランスのライター、著者、翻訳家などです。

収入面での条件は、

年間の利益、または利益の見込みが3900€(月平均325€)を超えること。または、新たに仕事を始める場合は加入してから最初の数年は必ずしもこの限度額を超えなくても大丈夫です。

芸術家のための社会保険 – KSK

 

フリーライター・翻訳家もこの中に含まれていますが、芸術に関するものしか申し込みできないということで、私の場合条件を満たしていなかったため申請していません。こちらについては私は詳しくないので、申請予定の方はご自分で調べるか専門の方に訊いてください。

 

KSKは芸術家のためのものなので、芸術関係以外で働く予定の方はKSKの対象ではありません。

 

確定申告もドイツ語でおこなわなければいけない

 

そして、フリーランスビザが無事におりても税務署へ行ってフリーランスの税金番号を取得し、毎年確定申告をしなければいけません。

 

日本ですら確定申告の処理は面倒なのに、それをドイツでやることを考えると相当骨が折れる作業であることは覚悟しなければいけません。税金についての知識がないために自分が損をしたりすることもあるはずです。例えば知識がないために還付されるものがされなかったり、経費で落ちるものを控除していなかったので税金を多く払っていたりなどがあります。

 

このような税金の知識は日本で住んでいたとしても理解している日本人は少ないんじゃないでしょうか。ドイツならなおさらわからないことだらけです。はっきり言って私もさっぱりわかりません。

 

また税理士さんに頼もうにも、ドイツ語ができなければおそらく門前払いされてしまうでしょう。

 

私は一人でやるのは大変だと思ったので、フリーランスビザ申請でお世話になった方にまた依頼するつもりです。(確定申告のサポートはしていないものの、税理士さんにご紹介していただけるとのこと)確定申告はまだ終わってませんが、準備は進めています。

 

生活してみて雰囲気が合わない可能性もある

 

これは実際にドイツに来て暮らしてみないことにはわかりませんが、憧れでドイツに来たものの雰囲気が合わない、もしくは辛いことばかりで早く日本に帰国したいと思う可能性もあります。

 

なので最初からあまり期待しすぎないほうがいいと思います。もし可能であればお試しで数ヶ月住んでみるというのもアリだと思います。

 

ドイツ語でコミュニケーションが取れないためにひどい暴言を吐かれたりすることもあります。人によって感じ方は違いますが、神経が細い人はこのようなことが積もり積もると結構堪えるかもしれません。めったにありませんが、私もたまにムカつくことを言われることはあります。スルースキルが高いのもありますが、キレたら言い返すタイプなのでいまのところ堪えてません。

 

そういう意味では、図太いくらいの神経でないと生き残れないのかも…。

 

まとめ

 

ドイツでフリーランスビザを考えている人には、良い面だけ書かれた情報を収集するのではなく、「このような面倒かつややこしいことをクリアしてまでドイツのフリーランスにしがみつきたいのか?」という点についても考えたほうが良いと個人的には思います。

 

私は実際にフリーランスビザを申請してみて、「やれないことはないけど、やっぱり面倒だな」と感じました。まぁそれも含めて経験のひとつですし、私はやってみてよかったなと思っています。今春帰国しますが、私はドイツが好きなので機会があればまた戻ってくるかもしれません。

 

かといって人に「ドイツでフリーランスはいいよ!」とは勧めません。ドイツフリーランスの情報なども過去に書いていますが、誰かにとって役に立つサンプルのひとつとして参考にしていただければという程度で「あなたもフリーランスになりなよ!」と無責任に煽るようなことは言えません。本気でやりたいのであれば別に止めませんが。

 

 

また、ビザ情報のような制度がコロコロ変わるセンシティブな話題について書いたりすると「情報の正確性がどうのこうの」と重箱の隅をつつくようなことを言ってる人もたまにいますが(私が言われたわけではない)、私は情報がないよりマシだと思っています。

 

情報を集めて最終的に判断をするのを読み手だからです。私もビザ申請の時は他の方のブログを参考にさせていただきました。そのような意味では多少の正確性を欠いている記事だとしても、情報が存在していること自体は(サンプルの収集の意味で)意義があると思っています。

 

 

フリーランスビザ取得を考えているものの、自分一人で進めるのは不安という方は申請サポートを利用するという手もあります。以下の記事は私が過去にお世話になった申請サポートをされている方の紹介記事です。

ドイツのフリーランスビザ申請が不安?申請サポートのご紹介

 

(以上の情報に関して間違っている点や情報の不足等ございましたらコメントにてご連絡いただけますと幸いです。必要と判断したものに限り編集または追記したいと思います。また、ビザの申請規定等は頻繁に変更されるので、ネットにある情報だけに限らず必ずご自分で確認されるか、プロの方にアドバイスをもらうことをお勧めします。)

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